「住まいとコミュニティづくり」に取り組むまちづくり団体が集結

掲載号: りたらしい 137 号
発刊日 2026年1月

 11月1日、ハウジングアンドコミュニティ財団(以下、HC財団)主催の「地域交流会in岡崎」が、図書館交流プラザりぶらにて開催されました。HC財団は、1993年より「住まいとコミュニティづくり活動助成」という30年以上の歴史を誇るまちづくり分野では著名な助成事業を行っており、りたは昨年度の本助成に採択され、西梅園地区の空き家と地域菜園を活用した地域再生事業を実施しています(本誌Vol.132参照)。

 今回、りたはHC財団の依頼を受け、ホストとして本地域交流会の運営をお手伝いしました。交流会には今年度HC財団の助成を受けている19のまちづくり団体が全国から集まり、現在取り組んでいる活動の報告をしました。りたは、HC財団より助成を受けた西梅園のほか、QURUWAのまちづくりについて、岡崎市まちづくり推進課の中川さんとともに紹介しました。その後、りぶらから伊賀川~岡崎城公園~籠田公園~中央緑道~桜城橋とQURUWAを案内し、最後はオトリバーサイドテラスで乙川の夜景を眺めながら、参加団体の方々や財団関係者と懇親を深め、学びの多い1日となりました。

「住まい」と「人」をつなぐ活動を応援するHC財団

 まちづくり・地域づくりに取り組むNPOや市民活動団体にとって、活動資金の確保は大きな課題です。特に、制度的な対応や市場の形成が追い付いていないような地域課題や複合的なテーマに対峙する上で、必要な費用をいかに稼ぐか、あるいは人的なネットワークを駆使して費用をいかに抑えるかは、常に頭の痛い悩みです。
 そんな先進的かつ意欲的なまちづくりの現場を30年以上にわたり支え続けてきたのが、HC財団の「住まいとコミュニティづくり活動助成」です。本助成の最大の特徴は、制度名にある通り「住まい(ハード)」と「コミュニティ(ソフト)」を切り離さず、一体的なものとして捉えている点です。「豊かな住環境には、物理的な場と良好な人間関係の両方が不可欠」という理念のもと、その両輪を支援対象とし、1993年の創設以来、延べ500件以上の活動を支援してきています。

 現在は毎年20件程度の活動を助成(上限120万円/件)していますが、採択率は15%前後と狭き門となっています。その分、助成事業はいずれも先進性、実行性、波及性において高いレベルで、テーマも手法も多岐にわたります。

「住まいとコミュニティづくり」活動助成の履歴から見るまちづくり史

HC財団のホームページには、これまでの助成事業すべての報告書が掲載されています(https://www.hc-zaidan.or.jp/report.html、りたの西梅園の取組は令和6年度の報告書に記載)。そのアーカイブをさかのぼると、90年代に住民参加のまちづくりの先進地だった東京都世田谷区の様々な活動や、阪神淡路大震災や東日本大震災の復興活動はじめ、各地の名だたる地域・団体の取組から、知名度は高くなくとも切実な地域課題の解決にチャレンジする野心的な取組まで、日本のまちづくりの変遷を辿ることができます。
 ちなみに、りたができる前に筆者ら(天野・三矢)が携わっていた世田谷区の「玉川まちづくりハウス」や「松陰コモンズ」、名古屋市の「まちの縁側育み隊」なども本助成を受けており、HC財団がいかにまちづくりの先達の“よすが”となっていたかをうかがい知ることができます。この度、りたの活動がこうした由緒ある歴史の末席に加えられたこと、また交流会の会場として岡崎市が選ばれたことは、個人的にも感慨深いものでした。

地域課題を複合的に解決するアイディアにあふれた事例報告

 今回の「地域交流会」では、右表の19の団体が活動発表を行いました。西梅園の活動に共通するような空き家や地域菜園を地域の交流の場として活用する事業や、福祉的なケア、分断されがちな多世代・多文化の共生、地域の憩いの場の創出、地域交通など、複合的な社会課題と包括的に向き合う事業が目白押しで、学びと刺激にあふれた交流会となりました。
岡崎の事例紹介では、りたと行政の緊密な連携関係が驚きをもって評価されたことが印象的でした。

ハウジングアンドコミュニティ財団より

 当財団の本年度の「地域交流会」の開催地として岡崎を選んだのは、岡崎市と「NPO法人りた」様が協働して進める「QURUWA戦略」に象徴される先進的なまちづくりの姿勢に共感したからです。歴史ある城下町の風情から景観を読み解き、ユニークなビジョンのもと価値を創出しようとする取り組みが全国のまちづくり活動に示唆を与えるのではと期待したからです。
 実際に岡崎で交流会を開催し、市民と行政が連携して街の魅力を高めている様子を肌で感じられたことは、参加者同士の学び合いにも良い刺激となったのではないでしょうか。地域愛のもと伝統と革新を調和させようとする岡崎のまちづくりは未来に向けた力強さがあり、全国から交流会に参加された団体の皆様と当財団にとって新たな視点を得られる場となりました。深く感謝を申し上げます。